消える・・・ 消える・・・ 消える・・・ 「・・・・・・」 ベッドの中でゆっくりとまぶたを開く。夜の闇の中、寝入りばなの心地よい気分に割り 込んでくるものがあった。 この感覚は・・・間違いない、あれだ。 電波。 僕が三年前に目覚め、開花したちから。 でも、あの事件以後、瑠璃子さんの無作為に発せられる優しい電波以外、まっとうに心 に響く電波は受け取った事は無かった。 この前までは。 ある日の夜、かすかな電波が僕に届いた。 「あぁ・・・またか。」 「電波の才能」のある者が発するか細い心の悲鳴・・・それは時々僕の頭に届き、僕の心 をざわめかせる。 理解されないと泣き叫ぶ甘えの声。 この世をはかなむ世捨て人のつぶやき。 優越を心の糧とする愚者の勝ちどき。 ・・・だが、「それ」は、今迄の声とまるで違っていた。 何を聞いても、何を話しても、その電波はずっと同じ言葉をつぶやき続け、一向に弱ま る気配を見せない。 それどころか、この電波が聞こえ始めてから一週間、その声はまるで果実が熟するかの ように、日増しに濃く、赤く、大きくなっていた。 ベッドに身をあずけながら、僕は「それ」に問いかける。 「君は・・・何処にいるんだ・・・?」 消える・・・。 「・・・誰だ?」 消える・・・。 「・・・何が、」 消える・・・。 「消えるんだ?」 答えは無く、ただ繰り返される言葉。そして聞こえ始めた時と同じように、唐突に「そ れ」は消えて行く・・・それもまた、いつもと同じだった。 # # # 「・・・どうしたの?」 こういう時の瑠璃子さんの眼差しは格別の安らぎを与えてくれる。 「いや、何でもないよ。」 わざわざ講義の合間をぬって会いに来てくれたのに、無用な心配をかける事も無いだろ う。そう思って僕は瑠璃子さんに微笑みを向けた・・・が、 「・・・・・・・・・」 あ゙・・・ちょっとだけへの字に曲がった口が・・・怒ってる。 「長瀬ちゃん、何か隠してる。」 こういう顔も可愛いと思ってしまうのは不謹慎だと知ってはいるが・・・僕はちょっとだ けため息をついて、その電波の事を話した。 僕達の通う大学は、二流とはいえそのキャンパスの美しさには定評がある所だ。医学生 としての生活は正直言って辛いが、この美しい木漏れ日の下で瑠璃子さんと一緒にいら れるなら、あと三年弱の大学生活も悪くないと思う。 初夏の風が運んでくる青臭い草のにおいが、芝生の上の僕らを包む。 「・・・優しいね、長瀬ちゃん。」 「えっ?」 話し終わった時、瑠璃子さんの発した予想もしなかった言葉に僕は少し驚いた。 「やっぱり優しいんだよ・・・」 「どうして?瑠璃子さん。」 ふいに電波が僕の頭に届く。 [お兄ちゃんを助けて・・・] ・・・これは、あの時感じた・・・ 「ね、届くでしょ?」 瑠璃子さんの電波。自分の、兄の救済を求めるはかなげな電波・・・ 「うん、届くよ。でも、それは瑠璃子さんが僕に送り続けてきたから・・・」 「違うよ。」 優しく、しかしきっぱりとそれを否定する。 「長瀬ちゃんは、電波の才能があったから届いたんじゃないよ。」 「・・・?」 「・・・こころをうけとめるちからがあるから、届くんだよ・・・」 「受け止める力・・・?」 「そう。」 ふいに瑠璃子さんは立ち上がり、芝生の上を歩き始めた。 「長瀬ちゃんは、おおきくて、つよいちからをもってる・・・だから、ちいさなちからをう ごかしたり、なぐさめたりできるの・・・」 ゆっくりと、舞うように回り始める瑠璃子さん。クリーム色のブラウスの襟と、紺色の スカートのすそが軽やかに重力に逆らい始める。 「おおきくて、つよくて・・・でも、やさしいこころ・・・」 つぶやく声がはっきりと僕の耳に届く。・・・この声が、音なのか、電波なのか、心その ものなのか・・・僕にはわからなかった。 瑠璃子さんが座る僕の眼前にふわり、とたたずむことで幻想的な時間は終わりを告げた。 「だから・・・助けを求める声が、長瀬ちゃんに届くんだよ。」 「僕の心が、強い?・・・そんなことないよ瑠璃子さん、消え入りそうだった僕を・・・」 救ってくれたのは瑠璃子さんじゃないか・・・ と、言葉を続けようとしたその時、瑠璃子さんの顔が僕の顔に近づいた。唇と唇が軽く 触れる感触。 あまりにも素早く、軽やかな行動に僕は少しの間言葉を失ってしまった。 「・・・長瀬ちゃんは、強くて、優しいよ・・・私はそれを知ってるから・・・ね。」 色白な頬を彩るほのかな紅色に、僕の無粋な否定は無意味だと知った。 # # # 夜、街が寝静まるには少し早い時間。 「消える・・・ 消える・・・ 消える・・・」 いつもの僕なら、一日の疲れを癒すためにベッドの中に潜り込んでいる時間だが、ここ しばらくはこの電波のおかげで安眠した記憶が無い。 ・・・今、僕は大学の屋上に居る。 電波の声は、日々ごとに危機感をおびてきていた。・・・瑠璃子さんの言葉を信じるなら ば、僕の心が人の心を受け止めているのならば・・・今、この電波を発している人は、僕 に助けを求め・・・そして、何かを告げようとしている。 何か。 それが何なのか、そして・・・その人は何処に居るのか。それを知るために今、僕はここ に居る。 金網の向こうに輝く、蒼く澄んだ真円の月をあおぎながら心を研ぎ澄ます。 「瑠璃子さんも、こうやって僕を呼んでいたんだろうか・・・」 チリ・・・チリ・・・ そんな考えをかき消すかのようにその電波はより一層強くなってゆき、それと同調する かのように、周囲の色彩が少しづつ色あせて行く・・・そんな久しぶりの感覚に、僕は多 少の嫌悪感と、切なくなるような懐かしさを覚えた。 静かに目を閉じる。 チリチリチリチリ・・・ 電気の粒が僕の全身を駆け巡り、そして、ラジオのチューニングのように雑音が消える。 とぎれとぎれながらも、澄んだ思いが僕の脳髄に直接飛び込んできた。 まるで、小さなオルゴールの奏でる音楽のように・・・ ・・・好き。 ・・・大好き ・・・ずっと、いっしょに・・・ 温かい心の韻律(リズム)。 どうして・・・ なんで、なんで! いやぁ・・・もう、いやだよぉ・・・ 引き裂かれた心の雑音(ノイズ)。 ああ、そうなの・・・ それでいい、それでいいから・・・ ずっと、いっしょに・・・ 希薄な心の調和(ハーモニー)。 ・・・・・・でも、もう・・・・・・ だから、私・・・ そして、小さな・・・ 消えるの・・・ 「!この声は・・・」 目を開いた時、僕は理解した。 街の闇の中にたたずむ、無機質な建物・・・そこに彼女は居る。あの時の心そのままに、 ただ全てを否定しながら。 # # # 「金井病院・特殊施設病棟」 昼の陽光の中、そこだけは不可思議な空気に包まれていた。まあ、この病棟の本来の用 途を考えれば当然かもしれないが・・・ ・・・・・・チリッ・・・・・・ ・・・やはりここだ、ここから聞こえる。 夜ほど強くはないが、かすかに僕の心に届いている。他の精神病者の思念の中、か細い ・・・しかし、そのリズムを乱すことない声が、電波が・・・聞こえてくる。 意を決して僕は受け付けに向かった。 「あのーすみません、ここに・・・」 # # # 看護婦さんに導かれて、僕は病室に入った。薄いベールの向こう側、窓から差し込む光 に色々なものの影が浮かび上がる。 大きな数台の機械、点滴の袋、無数の管・・・そんなものにまぎれてしまい、ベッドに寝 ている人の影は見えない。 「・・・もう、神経も内臓も弱りきってしまって・・・いつ止まってもおかしくないんですよ・・・ 可哀相に・・・」 看護婦さんがしゃくりあげるように息を呑む。 無理も無い。 こんなに「生きている」と言う言葉が希薄に思える存在も無いだろう。 「親御さんも疲れはてて・・・この前なんて、寝ているこの子の首を・・・!」 慌てて口をつぐむが、僕にはその先に続く言葉が分かる。 「・・・・・・ごめんなさい、私・・・」 「いえ、いいんですよ・・・顔、見ていいですか?」 はっと気付いたように看護婦さんが顔を上げる。 「あ、はい、どうぞ・・・本来なら面会謝絶ですので、お早めに・・・」 「分かりました、どうも・・・」 僕の後ろでパタン、と扉の閉まる音がする。足早に去る足音を聞いた後、僕は白いベー ルの向こうに向かって、ゆっくり口を開き始めた。 「・・・君だったんだね、僕を呼んでいたのは・・・」 無機質な呼吸音に向かって話し続けながら、そっとベールをかきわける。 眠っている彼女は、鼻に細い管を入れ、口を酸素吸入器でふさがれたまま寝息のように 呼吸音を響かせている。 顔の傷もほとんど消え、美しい黒髪もだいぶのびてはいるが、彼女のあどけない寝顔は 彼女の時が17才のままで止まっている事実を示していた。 「あの時、僕も月島先輩も瑠璃子さんも、皆こっちの世界に戻って来た・・・でも、君は・・・ 違っていたんだね。」 涙があふれてくる。 「忘れていた・・・いや、忘れようとしていたよ・・・僕は、だって・・・」 パタッパタタッ 床を叩く涙の雫。 「哀しすぎる・・・哀しすぎるじゃないか・・・」 パチャッ・・・ 雫はいつしか集まり、 「ただ・・・君は・・・このまま、死んでゆくだけなのか・・・?」 ピチャッ・・・パチャッ 冷たく、小さな湖と化していた。 「・・・替わりにされ・・・裏切られ・・・利用されて・・・引き裂かれて!」 ガタッ 思わずベッドの端に手をかけ、僕は鳴咽をもらし始めた。喉の奥から込み上げてくる声 にならない声を止める事は、僕には・・・出来なかった。 その時、暖かい感触が僕の手に触れた。 「・・・!!」 思わず顔を上げると、彼女がその瞳を開き、どろっと濁った焦点の合わない目を僕に向 けていた。その眼差しは一瞬瑠璃子さんを思わせたが、彼女の瞳に写っているのは、瑠 璃子さんのような優しさじゃない。 ・・・哀しみ。 そう、湖に写った月のようなはかなげな瞳の底には、息詰まるほど残酷な哀しみが沈ん でいた。 僕の手に触れた彼女の指から、色々な想いが流れ込んで来る。 「・・・・・・」 ゆっくりと身を起こそうとする彼女の左手をしっかりと握り、頭を僕の耳元に抱き寄せ た。管を外さないように・・・彼女を壊さないように、優しく。 「何か・・・伝えたい事が、あるのかい?」 僕がそう問いかけた時、世界がぐにゃりと歪み始めた。 # # # 映画館がある。 夕闇の迫る路地裏に面した、小さく、汚い映画館だ。 キイ・・・ 扉をきしませて、彼女が出てくる。 「あれ?長瀬君じゃない・・・どうしたの、こんな所で」 明るい笑顔で僕に話し掛ける彼女は、学校の制服が良く似合っている。 その制服はかつて瑠璃子さんも着ていたものだが、彼女が着ると活動的な印象を受ける。 「ちょっと、ね・・・どうだった?映画。」 「えっ、うーん・・・面白かったわよ。ただ、ラストがねぇ・・・」 パンフレットを脇に抱え、軽く首をひねる。 「どんな映画だった?良かったら、聞かせてくれないかい?」 「ええ、いいわよ。」 誇らしげに胸を張り、咳払いを一つ。まるで講釈師のような大仰な態度に、僕は思わず 吹き出してしまった。それを見た彼女もくすっと笑う。 「あー静粛に!なんてね。」 微笑んだ後、彼女は映画の内容をかいつまんで話し始めた。 映画は少女と少年の恋を描いた古い恋愛映画だったらしい。結局最後、その二人はお互 いの想いを貫くために、トロッコに乗って逃げてゆくのだが・・・ 「で、それがラストシーンなんだけど・・・長瀬君。」 「何?」 それまで熱を帯びた口調で映画の内容を語っていた彼女は、いきなり僕に顔を向けて来 た。 「その二人はトロッコに乗って逃げて行ったんだけど、どこへ行ったか・・・分かる?」 「どこへって・・・別の町へ行ったんじゃ」 「ブッブー!違うわ、きっと・・・」 彼女の瞳が濁る。 「・・・地獄なんだわ・・・」 「地獄・・・」 「そう、地獄よ・・・」 路地裏は日が落ち、電柱にくくりつけられた街灯だけが二人を照らしていた。 「何も知らない二人が何も知らずに恋をした・・・その行き先は、きっと地獄なんだわ・・・何 も無い、地獄・・・」 狂気を帯びた瞳がにやり、と笑う。 「地獄が、恐いのかい?」 「・・・違うわ。」 「じゃあ、何が恐いんだい?」 濁った瞳に何かが浮かぶ。 「・・・見つける事、作る事、残す事・・・そして、そんなものを欲しがって、何かにしがみつ く自分の心・・・それが、恐いの・・・」 「何か?恋や、夢の事?」 「人もね。だって・・・そんなものも、何もかも、いつかは消えるでしょう?」 いつしか狂気の瞳には哀しみがあふれ、歪んだ笑いの代わりに澄んだ微笑みが彼女の顔 に浮かんでいる。 「だから、私・・・早く死んで消えたいの。何も残さずに・・・何もせずに・・・」 彼女がそこまでつぶやいた時、僕は彼女を抱きしめていた。 「・・・長瀬君?」 「全て無くなるなんて・・・そんな事ない・・・」 きゃしゃな肩が震えている。 「この世界は・・・そんなに哀しく出来ている訳じゃないよ・・・」 くすっ 微笑むような声が僕の耳に届く。手の中のか細い震えは、小さくなっていた。 「分かってるわよ・・・でも、私はそうじゃない。私の世界は、そうじゃないの。」 「・・・そんな・・・」 彼女は踊るかのように僕の腕をすり抜け、闇の中に立った。 「長瀬君・・・ありがとう。こんな私の歌を聞いてくれて・・・」 「歌・・・?」 僕は、昨日の夜に大学の屋上で聞いた電波を思い出した。確かにあれは、韻律と雑音の つむぎだす、はかなげな歌だった。 「私ね、もうすぐ消えるの・・・それは私が望んだ事。だから、それでいい・・・でも、私が生 きていた事も、あの時の恋も、全てが消えるのは哀しかった・・・だから私、歌を唄った の・・・あの人からのたった一つの贈り物で・・・私の歌は・・・私の音は・・・誰かに届くかなっ て・・・」 「聞こえたよ、歌は。・・・だって、君は、まだ生きているもの!もっと色々な歌が唄える はずだよ!だから・・・だから!」 彼女は目を閉じて、首を左右にゆっくりと振った。 再びその目が開いた時、その瞳は美しい生気にあふれていた、が・・・同時に、どこか哀 しい決意を秘めているような気がした。 街灯の灯が一瞬強くまたたき、そして徐々に暗くなってくる。 「ありがとう、長瀬君・・・瑠璃子さんを、幸せにしてあげてね・・・」 「だめだよ!そんな・・・」 広がる闇が、世界が急速に壊れてゆく事を告げる。 「瑞穂に、・・・拓也さんに、伝えて・・・ありがとう、さようならって。」 「死」と言う静寂が、この世界に訪れようとしているのだ。 それを感じた僕は、彼女に手を伸ばし、その手を握ろうとした。 「・・・待って、待って!」 「長瀬君・・・私の事、少しでいいから・・・覚えていてね・・・」 広がる闇の中で、僕の手が最後につかんだもの・・・それは、彼女の手が急速に温もりを 失い、その柔肌が微塵に砕け散るいやな感触だった。 「待ってよ!香奈子さぁーーーーん!!」 # # # 現実に戻った僕の手から、彼女の手が力無く滑り落ちる。 ピイィィーーーー・・・・・・ 何一つ変わらぬ機械達・・・だがそんな中で、脳波計だけが主の死を伝えていた。 彼女は、生きる事を放棄した。じきにその体もその機能を失ってしまうだろう。僕は彼 女のからだを優しく横たわらせ、涙に濡れる瞳を閉じさせた。 ピッ・・・ピピッ・・・ピッ・・・ピッピッ・・・ 心電図が微かに悲鳴を上げ始める。命が消える時の不協和音。だがそんな哀しく不規則 な音の中で、僕はあの時届いた旋律を思い出していた。 病室を後にしながら、僕の中に響く旋律は、その存在を大きくこそすれ小さくはならな い。 「・・・香奈子さん・・・」 あの歌は、死への哀しみでもなく、虚無への恐怖でもなかった。 ただ一言、 「幸せだったよ」 ・・・と告げる歌。 「こんな私でも、生きていた。恋にその身を焦がす事が出来た。」 そんな小さく、か細く、哀しい歌。あれは、そう・・・本当に、消え入りそうなほどはか ない・・・ちいさな、小さな恋の旋律(メロディ)だった。 「もう、いいんだよ・・・悲しむ事なんて・・・無いんだから・・・」 病院の外にあふれる初夏の陽光の中、そうつぶやいた僕の胸には泣き叫びたいほどの想 いが詰まっていた。 その想いがあふれそうになった時・・・ 「長瀬ちゃん・・・」 哀しみで歪んだ顔を上げると、 「!?」 瑠璃子さんが心配げに僕を見つめていた。 「長瀬ちゃんの、泣き声が聞こえたの・・・だからね、だから・・・」 その後の言葉も聞かずに、僕は、瑠璃子さんの胸に飛び込んで・・・ひざまづいて、泣い た。 途切れなくもれる鳴咽に戸惑いつつも、優しく頭を撫でてくれる瑠璃子さんの冷たい手 に、僕はこの上ない安堵の気持ちを感じていた。道行く人の視線も、上がり続ける気温 も、僕と瑠璃子さんを分かつ理由にはならない。 止めど無くあふれる哀しみを胸の奥から吐き出しながら、僕は月島先輩と瑞穂ちゃんに、 香奈子さんの事は伝えないでおこうと思った。 だって、 この想いは、きっと二人に届いていると思うから。 伯父の病院を継ぐために頑張っている月島先輩も、 どこかの会社に就職したと聞いた瑞穂ちゃんも、 あの時の事は忘れても、あの気持ちだけは変わらないと思う。 けなげな彼女を包んであげようとした気持ちも、 強くなろうとする彼女を応援していた気持ちも。 愛する人と親友の幸せを、 心から願える彼女が居た事も・・・ だから、 僕だけははっきり覚えておこう。 17の彼女が唄った歌を。 あの時聞こえた、 今も変わらず唄っていた、 小さな恋のメロディを。 END